カビ菌と遊んだ年末年始のお話(記録)です。
この世の中には果てしないほどの菌が存在します。
近年では 除菌 殺菌 することが良いとされることが増えています。
が、菌の中にも身体に必要なもの、食に必要なものもあります。
今回私たちは、カビ菌の中でも日本食には欠かせない、日本という土地特有の 麹菌 の培養に挑戦しました。
稲の穂に着く稲魂(いなだま)。
稲穂が垂れ収穫の頃になると、黒い粒がつくことがあります。
稲魂(いなだま)と呼ばれる黒い粒は様々なカビ菌が固まってできたものです。
この稲魂から日本の調味料や発酵食品に必要な【麹菌】を作ることができると知り、やってみることに!
「稲魂から作った米麹で、お味噌を作ろう!」と夢見て……
稲魂は、稲麹病というもので稲にとっては病気です。カビなので、周りにも移ります。
なので農薬で防除していることもあるそうです。
(日本の食文化には欠かせない菌なのに…)
(まぁもし大発生して収量激減したら大変か〜)
稲についたこんな黒い塊から、麹菌を培養して味噌や醤油や甘酒や、色んな発酵食を作った昔の人はすごいなぁと思いました。
なんでこんなに怪しげな黒い粒をいじったんだろうか?
これが稲についた稲魂です。
ココペリファームで稲刈りをし、天日干しをしている最中に探し回って稲魂を集めました。
湿気や温度変化のあまりない風通しの良い場所で保管していた稲魂を、潰して粉にする。
粉にしたものをふるいにかけてゴミを取る。
片栗粉と混ぜ
一晩水につけて蒸した3分つき玄米に椿の灰を混ぜ、40度以下まで冷ます。そこにまんべんなく粉を振りかける。
自作の麹室へ入れる。
30〜40度になるように湯たんぽやら毛布やらで管理する。
仕込んだのは12月21日(土)の14時頃。
まずは稲魂から種麹を作る段階です。
仕込みから4日〜1週間ほどで、白又は緑色に覆われるそう。
まずは丸一日放置し、待つ。ドキドキ。
そして1回目の撹拌。(22日の昼過ぎ)
ん??!
おお!!!
この白いのは麹菌ではなかろうか?!
さっそく少しだけ繁殖していました。
期待しつつ半日後(22日の夜)の撹拌。あまり変化なし。
温度と湿度をあまり保てないので麹室を改良。
次の撹拌時(23日の朝)。変化なし…
さらに次の12時間後(23日の夜)も大きな変化は見られず…
仕込んで丸3日が経った頃(24日の昼)。
やっと全体にチラホラと白い菌が広がって来ました。
と同時に若干の赤と黒いカビも出て来ているような…
丸四日目の朝。25日。
黒カビがだいぶ繁殖してきました…
この黒いカビ菌は、怪しい…
ん〜〜どうしたらいいんだろう、
とりあえず目立つ黒カビだけ取り除いてみました。
効果はあるのかな?
26日。五日目の朝。
麹ちゃん急成長!もふもふしてます。
と同時に黒カビさんも広がった!
これは、どうなるんだ?
よくよく見ると、黒カビを麹ちゃんが覆っている?
こっから麹菌が優勢になるのか?
どうしたらいいんだ?
正解がわからないぞ?
とりあえず経過観察。
同日26日の晩。
(仕込みから丸5日と5時間経った頃。)
あれ?朝のモフモフが消えて落ち着いた。
温度が低かったかな?
もしやこれはピークを逃したか。
んー、もう正解がわからない。
とりあえず白い麹菌が固まっている良さそうなところを集めてみる。
六日目(27日)の朝。
集めたいい感じの麹菌を使って別で麹を起こしてみることに(ホワイトちゃんと呼びます)
蒸した白米に混ぜ込み同じ麹室に入れて同じように30〜40度で温度を管理する。
(はじめに仕込んだお米もそのまま保温し続けて経過を見ます)
七日目(28日)。
仕込んで丸1日たったホワイトちゃんはお米がなぜかピンク色になった。
八日目(29日)。
お?!
紫色になってきたお米に、麹菌らしきモフモフが生えてきた!
これは、いけるかも。
12時間後のホワイトちゃん(もはやピンクちゃん)。
ピンク(紫)の米に、白い菌に加えて緑色の菌も出てきた。
緑…果たしてこれは、、、
そう言えば。
参考にしている本によると、
「仕込んで4日〜1週間ほどすると白又は緑色に覆われる。それを乾燥させて袋などで抹茶状の粉を取り片栗粉と混ぜると種麹になる」
と書いてあったことを思い出した。
と言うことは、この緑の菌は正解なのか?
確信を持てない。
麹菌だとすれば、ほのかに甘いはず、、、
確信を持てないので、勇気を出して口に含んで味見してみることに。
…甘くはない。けどやばそうな感じもしない(?)
もうわからないのでとりあえず進む。
再度、緑色 または白い部分だけを集め、乾燥させる。
袋の中でガシャガシャして粉を集め、茶こしでゴミを取り除き麹菌と思わしき菌(胞子?)を回収!
約0.5gとれました。
そこに10倍の片栗粉を混ぜる。
これで種麹の完成!(とします)
ちなみに、最初に仕込んで、丸8日たったお米がこちら。
たぶんヤバそうな菌がビッシリだと思うので、お外に出しました。田んぼに返すことにします。
【出来た種麹から米麹を起こす】
2020年が幕開けした1月1日、夜。
やっとの思いで取り出した種麹(と思い込んでる粉)を、改めて水に一晩浸し蒸した白米に振りかけます。
そして同じように30〜40度をキープし保温する。
種麹から米麹を作る場合、3〜4日で出来上がるとのこと。
仕込んで24時間後(2日)。
撹拌のためにお米を広げると、なんとお米がカピカピ!
湿度がだいぶ低かったようです。
確かに温度もあまり保てていなかった…
湿度が上がるよう改良し、様子を見る。
丸2日経った3日の夜。
お米に麹菌がつき始めました!
3日目の1月4日。
白いフワフワとした麹が米全体に広がってきました。
と同時に、緑色のフワフワも広がってきました?!
4日目の1月5日の朝。
写真では灰色に見えますが、
全体的にパステル調の緑色と白に包まれました。
なんだかいい感じじゃない?♪(何を根拠に…)
味見をしてみることに。
甘い気もしなくはない、
けど、無味無臭。
んー、よくわからない。
ヤバそうな黒カビも赤カビも付いていないので、大丈夫そう、と言うことで
米麹の完成!!(と言うことにしておきます)
この出来上がった麹ちゃん達は、しばらく大事に冷凍庫で保管して、お味噌に仕込んでみようと思います。
もし米麹が出来ていたら、おいしいお味噌が出来るはず。
(麹作りに詳しい方で、今回出来上がった麹だと思い込んでるのがヤバそうなやつだったら教えてください!!!)
➖まとめ➖
・稲魂はたくさん必要
・湯たんぽでやると温度管理が難しい/大変
・情報が少ないので成功なのか失敗なのかよくわからない
・「育てる」ので愛情が湧く
・ポジティブに根気よく続ければ形になる
・ポジティブな思い込みが大切(?)
・稲魂から米麹(らしきもの)がとれた
全くもって、出来上がったものが米麹なのかなんなのかよくわかりません!
でも、先へ進んでみようと思います!
今回出来た米麹でのお味噌作りに乞うご期待!